「ちえうみ書評委員」開始のお知らせ

当社が運営するWebメディア「ちえうみPLUS」にて2025年4月1日より「ちえうみ書評委員制度」を開始しました。本制度は、仏教書・宗教書等の魅力を多角的に紹介し、読者の学びを深めることを目的としています。

■ちえうみ書評委員制度とは?
専門性の高い中・上級者向けの仏教書を中心に、宗教・哲学・思想書など関連書籍を対象とした新刊書籍を紹介する書評企画。向学心がある読者に向けて紹介することを目的とする。多様な評価と専門的な視点を取り入れたコンテンツの充実化を図ることで、仏教書や宗教書が広く社会で手に取られることをめざす。

特設サイトはこちら(https://chieumiplus.com/bookreviewer

■ 参加書評委員
〈委員長〉
釈 徹宗(浄土真宗本願寺派如来寺住職/相愛大学学長)

〈委員〉
大谷由香(京都大学白眉センター 特定准教授)
碧海寿広(武蔵野大学文学部(教養教育)教授)
亀山隆彦(京都大学人と社会の未来研究院上廣倫理財団寄附研究部門 特定准教授)
君島彩子(和光大学表現学部芸術学科 講師)
白川密成(四国八十八ヶ所霊場第57番札所栄福寺住職/作家(随筆家))
吉村昇洋(曹洞宗八屋山普門寺住職/臨床心理士・精進料理家)

■釈徹宗(ちえうみ書評委員長)コメント
「ちえうみ書評委員制度」に大きな期待を寄せています。この制度では、様々な方々に参画していただきたいと思っていますし、幅広い年代の人に論評してもらいたいです。研究書を読んでいると「あの人に読んでもらいたいな」と思うことがよくあります。この制度を通じて、そうした思いが実現し、多くの方々が新たな本と出会う機会が広がることを願っています。また、この制度は本の書き手、評者、そしてそれを読む読者の三者にとって、それぞれ利益(りやく)があります。書き手は自分の本が新たな視点で紹介され、評者は深い読みを通じて学びを得る。そして読者は、多様な視点に触れながら良書と出会うことができる。このように、三者が互いに響き合う場として、この制度が発展していくことを期待しています。

■任期
第1期:2025年4月〜2027年3月(2年間)

■今後の展開
本制度は定期的に書評記事を公開するほか、書評委員による座談会等も予定しています。

■委員プロフィール
釈 徹宗(浄土真宗本願寺派如来寺住職/相愛大学学長)
1961年、大阪府出身。相愛大学学長(~2025年3月)、浄土真宗本願寺派如来寺住職。NPO法人リライフ代表。ちえうみアドバイザー。専門は宗教学(宗教思想・宗教文化)。近刊『喜怒哀楽のお経を読む』ほか『親鸞の思想構造』『いきなりはじめる仏教生活』など著書多数。また内田樹氏との共著『いきなりはじめる浄土真宗』『はじめたばかりの浄土真宗』をはじめ共著作も多数出版。論文「不干斎ハビアン論」で涙骨賞(第五回)、著書『落語に花咲く仏教 宗教と芸能は共振する』で河合隼雄学芸賞(第五回)、また仏教伝道文化・沼田奨励賞(第五十一回)を受賞している。

大谷由香(京都大学白眉センター 特定准教授)
1978年香川県生まれ。龍谷大学文学部仏教学科卒、同大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。龍谷大学文学部仏教学科特任准教授などを経て現職。専門は仏教学、特に東アジアの仏教戒律思想交流と展開について。著書に『中世後期泉涌寺の研究』(法藏館、2017)、編著として『性なる仏教』(勉誠社、2025)などがある。論文「蓮如上人周辺と泉涌寺系浄土教団「見蓮上人門徒」について」で真宗連合学会木辺派門主奨励賞(第45回)、論文「智積院新文庫所蔵 志玉口述・道瑜筆録『梵網古迹下巻聞書』について」等で智山勧学会賞(第35回)、論文「不殺生と自死」で涙骨賞(第18回)を受賞。2022年8月より京都新聞「現代のことば」を連載中。

碧海寿広(武蔵野大学文学部(教養教育)教授)
武蔵野大学文学部教授。1981年東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒、同大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。博士(社会学)。龍谷大学アジア仏教文化研究センター博士研究員などを経て現職。専門は宗教学、近代仏教研究。著書に『近代仏教とは何か』(青土社)、『高楠順次郎』(吉川弘文館)、『考える親鸞』(新潮選書)、『科学化する仏教』(角川選書)、『仏像と日本人』(中公新書)など。訳書に、鈴木大拙『禅と日本文化 新訳完全版』(角川ソフィア文庫)、クリントン・ゴダール『ダーウィン、仏教、神』(人文書院)。

亀山隆彦(京都大学人と社会の未来研究院上廣倫理財団寄附研究部門 特定准教授)
2013年、龍谷大学大学院文学研究科仏教学専攻博士課程修了(博士〔文学〕)。その後、米国仏教大学院博士研究員、龍谷大学世界仏教文化研究センター・アジア仏教文化研究センター博士研究員、京都大学人と社会の未来研究院研究員を経て、2024年より京都大学人と社会の未来研究院上廣倫理財団寄附研究部門特定准教授。専門は日本思想・文化研究、日本仏教学、日本宗教学、密教学。著作に、『平安期密教思想の展開:安然の真如論から覚鑁の身体論へ』(2023年、臨川書店)、『中世禅の知』(共著、2021年、臨川書店)等がある。

君島彩子(和光大学表現学部芸術学科 講師)
和光大学専任講師。国際日本文化研究センター博士研究員、日本学術振興会特別研究員を経て現職。総合研究大学院大学文化科学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。「現代のマリア観音と戦争死者慰霊」にて中外日報社、第15回涙骨賞。学位論文「平和祈念信仰における観音像の研究」にて第15回国際宗教研究所賞・奨励賞受賞。専門は物質宗教論、宗教美術史、近代仏教史、万博学。リサーチに基づく執筆、制作、展覧会の監修などをおこなっている。単著『観音像とは何か――平和モニュメントの近・現代』(2021年、青弓社)。監修した展覧会に「万博と仏教――オリエンタリズムか、それとも祈りか」(2023年)、「陶の仏――近代常滑の陶彫」(2023~24年)。近年の論文「地蔵信仰における石と布――山形県村山地域における地蔵の被服調査から」『宗教と社会』(2024年)、「沖縄国際海洋博覧会と平和祈念公園の成立――大濱信泉と稲嶺一郎の活動から」『万博学 = Expo-logy』(2024年)など。

白川密成(四国八十八ヶ所霊場第57番札所栄福寺住職/作家(随筆家))
四国八十八ヶ所霊場・第五十七番札所・栄福寺住職。1977年生まれ。高野山大学密教学科卒。卒業論文「密教と現代生活—南方熊楠・土宜法龍往復書簡を中心にして―」が、学術雑誌『密教文化 204号』に掲載。24歳で栄福寺住職に就任、同年より糸井重里主宰のwebサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」で「坊さん。」を231回、7年間連載。2010年『ボクは坊さん。』(ミシマ社)出版。2015年に映画化し、アメリカ「ヒューストン映画祭」で、プラチナアワード受賞。著作に『マイ遍路』(新潮新書)『空海さんの言葉』(徳間文庫)『みんなの密教』(NHK出版)他。共著に『宮崎哲弥 仏教教理問答』(サンガ)、『不要不急』(新潮新書)他。寄稿に「三田文学」(書評)、「文學界」(エセー)など。主な対談に山折哲雄(宗教学者、NHK-Eテレ「こころの時代」)永田和宏(細胞生物学者・歌人、NHK学園)中沢新一(思想家・人類学者、「南方熊楠翁生誕150周年シンポジウム」)など。

吉村昇洋(曹洞宗八屋山普門寺住職/臨床心理士・精進料理家)
1977年生まれ。曹洞宗八屋山普門寺副住職。臨床心理士。相愛大学非常勤講師。曹洞宗大本山永平寺での2年2ヶ月間の修行経験をベースに、禅仏教や臨床心理学、精進料理、仏教マンガについての講演、本や雑誌、新聞にて執筆活動を行う。NHK 総合『ごごナマ』やNHK Eテレ『きょうの料理』の講師として人気を博すほか、地元広島の情報番組RCC『イマなまっ!』にてコメンテーターを務める。また、地方紙『中国新聞』にて宗教コラムの連載「放てば手にみてり」を担当。近著に『禅に学ぶくらしの整え方』(オレンジページ)のほか、『心が疲れたらお粥を食べなさい』『気にしない生き方』(いずれも幻冬舎)、『週末禅僧ごはん』(主婦と生活社)など著書多数。

■関連プレスリリース:
仏教の智慧を現代へ——釈徹宗氏が「ちえうみ」アドバイザーに就任
詳細:https://chieumiplus.com/article/pressrelease20250220